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下鴨神社の水みくじって知ってる?

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「西口さんこっちです」

「お待たせしました」

先日、京都天狼院のフォト散歩@下鴨神社に初参加してきた。

集合時間の5分前に到着すると、既に10人ぐらい集まっていた。朝の優しい光の中で、参加者も若い人が多くなんか清々しい感じがした。

天狼院の田岡さんの簡単な挨拶の後、一人ずつ自己紹介をし撮影スポットまで皆で歩きながら移動し写真を撮る。最後に皆で今日のベストショットをシェアする。という2時間だ。

撮影スポットまで皆で歩きながら、かなり昔の記憶がぼやっと浮かんできた。各自が撮りたいものを撮っている姿を僕は見ていて、段々思い出してきた。

大学1年生の時に僕は写真部に入部していた時のことを。

当時、CANONのA-1と28mm、50mmのレンズを買ってもらって写真を夢中で撮っていた。どこへ行くのもカメラ持参で友達や彼女を撮るのが好きだった。写真部の個展にも出品したこともあった。

そんなことを思い出しながら、徐々にフォト散歩の雰囲気に慣れていった。

それと同時に、久しぶりに購入したカメラのSONYアルファ6600とツアイスF4・16-70ズームレンズの扱いにも徐々に慣れてきた。

iPhone11とかのスマホで参加している人もいて、いい写真が撮れたと皆にシェアされていて、それに刺激を受けて同じ角度で撮ってみる。オリンパスのカメラで撮られた方と見比べると、同じ場所から撮っているのに光の入り方が全然違ったりする。

また、ある人は道の横に咲いている白い花だったり、屋根や庭の苔だったり、何をどう撮ろうがまったく自由だ。

河合神社の絵馬札

写真部時代に先輩から言われた言葉を思い出した。

「その写真から何を感じるのか? 」

「あなたの感じたものを撮れ! 」

社会人になってからは、写真と言えば子供の記録や記念写真とかになって、しかもCANONのデジタルに買い替えたのに子供に落とされ壊れてしまって、そこから遠ざかっていた。

昔、持っていたコンタックスT2も大事にしていたけど、売ってしまったし、中古で買ったリコーのGXR本体も壊れてしばらくカメラのことは忘れかけていた。と言うかiphone10maxで誤魔化していた。

そんな事はもう過去のことで、それがどうしたのとでも言っているかのように参加者のみなさんがシャッターを押している。

それに刺激されて、思い出したかのようにバシャバシャとシャッターを押し始めた。

もうすぐ下鴨神社

下鴨神社の門の前まで来ると、さすがに人が多くなってきた。

結婚式をするために白無垢の衣装に身を包んだお嫁さんとお婿さんが歩いている。その後ろにカメラマンが一緒に歩いている。挙式専属のカメラマンだ。きっとこれから挙式の予定なんだろう。

本殿の正面まで行くと丁度、宮司さんがご祈祷の真っ最中!

よしこれだ!とカメラを構えたが、写真撮影禁止の札があった。

「水みくじって知ってる?」

フォト散歩に参加している女性の声が聞こえた。

「女性っておみくじ好きやね!」とつい独り言を言いながら女性二人が行くので僕もついていった。

ところで“水みくじ”って何だ?

本殿から右手に行くと井戸の上に建てられた御手洗神社がある。

その井戸からの湧き水が川のようになっていて、

おみくじを買ってここの水に浸すとおみくじの文字が浮かび上がってくる。

水みくじを水につけて

そのおみくじを女性が日光に透かしておみくじの文字を読んでいる姿を想像した。

思わずこれだ!と、その瞬間、女性二人のすぐ後ろまで行ってシャッターを押した。角度を変え何度も押した。

何が書いてあるのか?ドキドキ、ワクワクしながら読んでいる姿が眩しく見えた。

浮き出た文字を日に透かして

横から覗くと山梨県から京都に旅行に来ている女性のおみくじには旅行の項目が「行き先に良いことあり」と書いてあり笑顔がこぼれた。

フォト散歩の終わりの時間が来て、最後各自の今日のベストショットをシェアしあった。

僕はもちろん、水みくじを見る乙女心を撮った1枚から選んだ。

フォト散歩は終わったが、その後も僕の中に余韻が残っている。

1枚の写真が2000文字に匹敵するぐらい、語ってくる感じ。

写真にハマるってこういう事なんだ。

37年ぶりに20歳の時の自分に戻れた感じ。

家に帰って、本棚にしまってあった1冊の本を手にとった。

「写真がもっと好きになる」菅原一剛著2008年初版の本だ。

12年ぶりに手に取ると帯には糸井重里氏の絶妙なコピー

”なんども見たくなる写真。

人に欲しがられる写真。

飾っておきたくなる写真。

そういう写真を撮るために、知っておいたほうがいいことがある。”

12年前はまだフィルムの時代だったかな?僕は子どもたちの写真をたくさん撮っていたのでこの本を買ったのだと思う。

今、久しぶりにこの本の帯のコピーを読んで、大事に残しておいて良かったと思う。

僕も仕事柄、写真は上手くなりたい。

タイミング良くこんなに心を揺さぶられた写真を撮る機会を得ることができたことに感謝。

「ワクワク感を感じる写真ってどんな写真?」そんな自問自答をし 写真は何歳になってもワクワク感を感じる事につながるんだと改めて感じた。

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西口吉宏
生年月日:1962/04/08・京都府出身
立命館中・高・大経営学部卒

尖った生き方を応援する
Webマガジン”NOW&VOICE”編集長・
プロインタビュアー・写真家
35年間本音を引き出し続けたプロ。