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創業明治5年井上漬物店5代目 井上昌則さん

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創業明治5年井上漬物店5代目 井上昌則さん

 
 
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インタビュー(抜粋)

創業は明治5年、京都市下京区松原通り油小路にあります家族経営の
井上漬物店です。
5代目の井上昌則です。

お店に入るとピアノがあったり、絵が飾られていたり長い椅子があったり
お漬物はどこかなと探すぐらいのレイアウトになっていますが、これは何か理由がありますか?

数年前に改装したのですが、以前は店内と外との仕切りがなくお漬物を置いていたので、数年前から店でライブ演奏をしたりするようになって、冬は寒いので改装をするにあたって店内でくつろいでもらえるようにしました。

50年ぐらい前祖父の時代はオープンするまで行列ができていて、室町通りの呉服屋さんが社員さん向けにお漬物を樽買いされていたのですが、今では百貨店で卸ようになった。

ショーケースが小さいのは?
時代に流れで清潔さも求められるようになって、パッケージ化して見せ方も変わっていった。表のケースには少ないが、奥の冷蔵庫に保管をしています。

ぬか床の講座をされているのですか?

はい、ぬか床の作り方全部を講座で教えています。

スーパーで売っているぬか床の元が売っていますが?

全くの別物です。

ぬか漬けは毎日菌の発酵が進んでいくので味も変わる。
スーパーではそのまま置かれていてなぜ味が変わらないのか。
ぬか漬けは今の流通に適さないので、私どもは工夫をしています。
賞味期限が1日2日になってお豆腐と同じになってしまうんです。
本当に発酵したぬか床にくるむと6時間もすれば味がかわるのです。

ぬか床の作り方で全部材料も同じで作られるんですが、皆さん味が違うんです。
店で作るぬか床と同じ作り方を教えているが漬物は同じ味にならないです。

いろんな形で発信をされているそうですね

月1回アコースティックライブを店内でしています。
毎月レギュラーでミュージシャンの人に出演してもらいます。

先月はコロナウイルスの影響で無観客ライブでYou Tubeで配信しました。
また、ザワークラウト・ピクルスの作り方も配信しています。

秘伝とも言える作り方を教えるというのは大丈夫ですか?
お漬物とは昔から生活の知恵として皆が作ってきた。その伝統を正しく今の世の中に伝えていきたいです。         (以上抜粋)

インタビューの全部はポッドキャストをお聞きください。


インタビュー取材を終えて

松原通り商店街の理事長も務められている井上昌則さんは大変気さくな人だった。

昔は対面販売が基本でぬか漬けなどの発酵物を多く扱ってこられたが、時代が変わり安定を求めてぬか漬けから浅漬に変化。そして対面販売から大手百貨店に卸をされるようになった。そんなバックボーンの元で5代目の井上昌則さんは新しい試みをされている。

ぬか床講座やザワークラウト・ピクルスの漬け方を動画でも配信されていて作り方は秘伝ではないのかと僕の方が心配になったが、井上さんはケロッとした顔でこう言われた。

「同じ作り方をお教えしても不思議に同じ味にはならないんですよ!逆に、多くの人にぬか床や発酵物を作っていただき、ぬか漬けのファンを増やしていきたい!」

「特別なことは何もしていないと思います。昔から受け継がれてきたぬか漬けという伝統と文化を今後も正しく受け継いで行きたいです。」

井上昌則さん

僕の母も数年前まで家でたくあんは樽でまた胡瓜や茄子のぬか漬けをよく漬けていた。渋柿の皮を干して入れたり工夫をして評判の味を出していたが、高齢になって漬けられなくなった。

僕は家の古漬けのたくあんを薄く切って生姜をすりおろし醤油をかけて食べるのが好きだった。

今回の取材で井上さんの話を聞きながら、母の作ってくれた漬物の味を思い出させてくれた。

(取材日:2020年4月9日)